三和文化企業株式会社
Denkikan代表

窪寺 洋一さん

取材日2021521

Q1. お仕事の内容を教えてください。
私の仕事は世界中の映画の中からお客様に喜んでもらえるような作品を見つけることです。ドラマからドキュメンタリーまでいろんな作品を観て、配給会社と打ち合わせをしています。最近はほとんどありませんが、多いときは週に2、3回福岡にある試写室に映画を観に行っていた時代もありました。基本的にウチで上映する作品はミニシアター向けのアート系作品が多いので、ホームページやSNSを中心に宣伝活動をしています。その他、スタッフが週替わりで新聞の原稿を書いたり、ラジオで新作映画の紹介もしています。

初代 窪寺喜之助氏

Q2.Denkikanの歴史を教えてください。
明治36年に東京浅草で電気仕掛けの器具類を並べX光線の実験などをしていた「電友館」が改称し、「浅草電気館」が誕生しました。日本に入ってきた活動写真を上映するにあたり「国家のため電気知識の普及を意図し、電気の名をとどめるように」との条件があり、その名が「電気館」となりました。浅草電気館から全国に「電気館」という名の劇場が次々と誕生していた明治44年、私の曽祖父である窪寺喜之助が熊本で初めての活動写真常設館「電気館」を現在のシャワー通りに創設したのが Denkikanの始まりです。

昭和3年には、1Fに飲食店等のテナント、24Fが映画館、屋上娯楽施設、エレベーター設置など当時としては画期的な3代目電気館が落成しました。戦中は地下が避難場所となるなど、戦前から戦後を通して活躍した建物も再開発のために平成7年に現在のビルへ改築しました。平成15年には劇場としては初めて「日本映画批評家賞特別賞」を受賞しました。平成23年、皆様のお陰をもちまして開館100周年を迎えることができました。

Q3.お客様と接したり働いているときに感じるやりがいは何ですか?
映画を見終わったお客様が映画の話をしながら楽しそうに帰っていく姿を見ると嬉しく思います。週末になると2階のカフェでは知らないお客様同士が映画の話題で盛り上がることもあります。また、監督や俳優の舞台挨拶も定期的に行っていますが、映画の上映だけではなくライブや落語会、映画と浪曲の実演などイベントにも力を入れています。準備は大変ですが、無事にイベントが開催できたときは充実感を覚えます。

Q4.中心市街地の魅力は何ですか?
熊本の中心市街地には洋服屋さんを中心に個性的で特色のあるお店がたくさんあります。今はインターネットで何でも購入できる時代になりましたが、小さいお店の集まりだからこそ距離感も近く優しさや温もりが感じられると思います。コロナが落ち着いて早く街中に活気が戻ってきてくれることを期待しています!

 

Q5.現在のコロナ禍の影響や対策についてお聞かせください。
昨年4月には非常事態宣言で5週間休館しましたが、夏以降はお客様が徐々に戻ってきました。感染対策としてお客様には受付で検温、アルコール消毒をお願いしています。また、劇場内やロビーはこまめに換気を行い、座席や手すりは朝から一席ずつ除菌して感染防止に努めています。

Q6.最後にkumamotopicsをご覧になっている方へメッセージを御願いします。
今年で創設110年になりますが、これからも心に残る映画を上映し続け熊本の文化に貢献できればと思います!

電気館 Denkikan

住所:860-0803 熊本市中央区新市街8番2号
TEL:096-352-2121