熊本市 経済観光局産業部商業金融課 主任主事

米納一樹さん(左)

熊本商工会議所 商工観光振興部 商工観光振興課

津川貴臣さん(右)

くまもと・まち魅力向上協議会 会長

松永哲典さん(中)

今回は、現在のコロナ禍の中で大変厳しい状況にある中心市街地の飲食店を支援する取り組みについて、熊本市および熊本商工会議所の担当者のお二人にお話しを伺いました。(取材日 11/2)

街なかの最近の状況、特に飲食店についてはどのような状況でしょうか?

松永
やはり最近は、中心市街地の通行量が減っていて、特に夜の人通りがものすごく減ったと感じています。
この中心市街地にはたくさんの飲食店がありますが、非常に大変な状況です。まだまだ皆さん会社や家族の関係で以前のように街に出てこれない状況だと思いますので、来ていただきたいけど無理には呼べない部分もあり非常にもどかしいかと思います。みんなで協力して、アイデアを出し合いながら乗り越えていきたいですね。

米納
私も毎日仕事で街なかに来ていますが通行量の少なさを身をもって感じています。最近は接待を伴う飲食店でのクラスターの発生もあり、飲食店全体への影響は大きいと思います。飲食店にはまずしっかりと感染拡大防止対策に取組んでいただき、市民の皆様にはしっかり対策をとっているお店を利用いただく、という流れを促進していきたいですね。

津川
経営の相談なども受けていますが、街なかから郊外へ移転する相談が増えてきています。相談者の方のご要望に沿ってお手伝いをしていますが、街なかのことを考えると複雑です。。
あとは、お店側が従業員さんを雇用しきれないということで新たに街なかに出店したいという相談も受けています。

そのような状況の中で、熊本市、および、商工会議所が中心となって取り組まれていることについてお話ください。

米納
はい、それではまず熊本市が実施している取り組みについてご説明いたします。
感染拡大防止対策に取り組む飲食店に対して、補助金による支援を行っています。
感染拡大防止のためのアクリルパーテーションなどの備品の購入や小規模改修にかかる経費の90%を補助します(補助限度額は27万円)。
対象者は、熊本市内に所在する飲食店もしくは飲食を伴うカラオケボックスを営む中小企業者等です。また、業種別ガイドラインを遵守している必要があり、必ず守ってほしい「重点項目」については100%、かつ、項目全体の60%を超えて遵守している必要があります。
補助金を活用されたお店は、熊本市が定める「感染拡大防止実践店」として熊本市のHPや特設ページにも掲載し、感染防止の取り組み等を紹介しています。お店によっては補助金を使わずに実践店の申請をされているお店もありますが、そうしたお店も業種別ガイドラインを満たしていることを確認できれば、実践店として認証しています。実践店にはその証としてステッカーを配布し、市民の皆さんにそのお店をより安心して利用してもらう、といった形でお店と利用者、双方にとって安心できる環境づくりを整えたいと思っています。

松永
ありがたい制度ですね。熊本市は今回のコロナ問題が始まったときも休業要請に対応した飲食店に対して家賃の8割を出すなど、早く対応されていましたね。今回の補助金もぜひ多くの飲食店で活用していただきたいですね。

商工会議所の「お店に行こぅバイ!」キャンペーンについて教えていただけますか?

津川
緊急事態宣言が5月21日に解除されたのですが、その後なかなか消費行動につながっていないという状況でしたので、「お店に行きましょう!」というキャンペーンを6月5日から開始しました。キャンペーンに賛同いただいている店舗は感染症対策がされているので安心して利用してください、とPRするキャンペーンです。
具体的には、鶴屋さんのビアガーデンで屋台村を実施したり、下通でストリートバザールを開催したほか、クラウドファンディングを使って「ミライメシ」という名前でプレミアムがついた商品券の販売も商工会議所で行いました。(完売済)
あとは、キャンペーンに賛同していただいた第一生命が実施されているスタンプラリー企画も協力しています。3店舗をまわったら特典をもらえるという企画です。

それぞれの取り組みの現状と今後の課題についてお話しいただけますか?

米納
制度に関する問い合わせをコールセンターで受け付けており、10月末時点で5000件を超える問い合わせが来ています。「補助金の内容について教えてほしい」「どんな対策をとったらいいですか?」といった問い合わせが多いので、個別にアドバイザーを派遣していますし、市役所の14階でもアドバイザーが相談を受け付けています。少しずつ制度自体の周知や個別アドバイスができているかと思います。「感染拡大防止実践店」の認証店は10月末時点で約600店あり、特設ページに掲載しています。ただ、飲食店の数は熊本市内に約3000ありますので、まだまだ広げていかねばなりません。
現在は熊本市のホームページや各種広報誌に随時掲載していますが、補助金の受付期間は今年の12月末までですので、必要な方に必要な支援が行き届けられるように周知活動をもっと強化していきたいです。

松永
職員の方も増やして対応されているみたいですね。
不動産会社の方も呼びかけているようで、中心市街地でお店をされている方は知っている方が増えているように感じます。
ちなみに、当サイトKUMAMOTOPICSでも感染拡大実践店のバナーを貼っています。

米納
ありがたいですね。色々な関係団体やビルオーナーさんにもアプローチしてポスターの掲示などをお願いしていまして、今後も継続していく予定です。

それと、もう一つの取り組みとして、PCR検査を積極的に受けていただきたいということで、中心市街地の飲食店の方は希望されれば無料で受診ができるようになっています。オンラインでの受付もはじまっていますので、積極的に活用していただきたいです。

「お店に行こぅバイ!」キャンペーンの方はいかがでしょうか?

津川
はい、現在も随時受付をしておりまして、現在の登録店舗は229店舗と少しずつ増えていっています。
今後の課題は、熊本市さんの取り組みと同じくもっと情報発信をしていきながら、より多くのお店に登録していただきたいですね。
また、会議所では相談窓口を設置していまして、融資や補助金、税制関係などお手伝いできることがたくさんありますので、ぜひご活用いただきたいです。

松永
両方の取り組みのステッカーが店頭に貼ってあってもいいですね。
あと、熊本県も同じような取り組みをされていて、自主的に感染症対策をチェックして、ステッカーを掲示するという内容です。https://www.pref.kumamoto.jp/kiji_33365.html
熊本県のステッカーと合わせて、3つステッカーを張られているお店も見かけることが増えてきました。

津川
先日飲食店の方が、「しっかりと対策を行った上で、こういうステッカーをいっぱい貼って少しでも安心して利用してほしい」と言われていました。実際お客様の立場からも安心して行きやすい、立ち寄りやすいですよね。

さて、話は変わりますが、米納さんと津川さん、それぞれ街なかの思い出スポットやよく行くお店などはありますか??

米納
私は、城彩苑が好きですね~。去年まではラグビーのワールドカップ関連の仕事をしていて、城彩苑で告知イベントを開催したのもあり思い出が残っていますし、雰囲気も好きです。
あと、カレーが好きなので、街なかのスリランカカレーの店に行くことが多いですね。

津川
個人的に行くお店は西銀座通りの「みやじ」さんです。がらかぶ料理がおいしいんですよ。

米納
みやじさんも「感染拡大防止実践店」ですよね。

松永
こうやってみんなで連携して分かりやすく・幅広く情報発信をしていきながら、少しでも多くの方が「まちに出ていきたい」と思っていただけるよう継続して取り組んでいきたいと思います。

~今日はありがとうございました