モーガン・ジェイソンさん

株式会社アドアストラ 代表取締役

白川バンクス 代表

Q1. 日本に来られたきっかけや今のお仕事についてお聞かせください

アメリカのニュージャージー州出身です。アメリカの大学で副専攻で日本語を学んでいて、卒業後、日本に来ました。ALTとして熊本に赴任になり、小中学校で教えていましたが、熊本がすごく好きになってALTをやめて、熊本の大学院に行きました。大学時代にアルバイトでフリーランスの翻訳や英文校正をやっていたのですが、卒業後は「熊本翻訳」という個人事務所を立ち上げました。約5年前に別々に翻訳事業をしていた田島巳起子さんと一緒に事業会社「株式会社アドアストラ」を立ち上げ、現在共同代表取締役を務めております。事業内容は主に翻訳、通訳の仕事ですが、最近は観光客が増えてきているということで、インバウンドに関するコンサルティングやツアーの企画なども行っています。また、飲食事業として、クラフトビール&ブックバーの「Voyager(ボイジャー)」の運営を行っています。お店はあえて街中から少し離れた落ち着いた場所で川沿いが魅力的だと思い、九品寺の白川沿いのここの場所にしました。各地で開催されているマルシェやイベント、結婚式の二次会などにも出店することがあります。

~ ボイジャーは以前私も夜飲みに来たことがありますが、素敵なお店ですね!

アメリカにいた時からクラフトビールが好きだったんですよ。ただ、お店をオープンした当時日本にはまだ飲めるところがなくて・・・そこで自分でバーをつくって新しいビールのスタイルを紹介できたらと思いました。最近はビールの面白さを愉しんでもらえるお客さんも増えてきました。本当に色んなビールがあるんですよ。少し高めですが、自然発酵系の「すっぱい系のビール」なんかも人気です。

「クラフトビール&ブックバー」ですが、最近は「ミュージック」の要素も入ってるんです。店内にDJブースも設けて、店の中でライブをやることもありますよ。

Q2. 現在、中心となって運営されているイベント「白川夜市」はどうやった背景で行われることになったのでしょうか?

元々街の中心地に「白川」というきれいな川があるのに、だれも見ていない、使っていない、のはもったいないと思っていました。そんな中、数年前に熊本市が「ミズベリング」という水辺の空間を利用して豊かな社会づくりをしていこうという事業を近くの河川敷で行うことになり、その時に開催されたマルシェにうちも出店しました。告知宣伝があまり無い中での開催だったんですが、中心地ということもあり自然と人が集まりました。当日SNSでアップしたら、早速近隣の方が来てくれたんですよ!しっかりとした告知をして分かりやすいイベントを開催したら結構面白いんじゃないかと思いました。その後にマルシェと同じ日に地域の方や中心商店街の方、大学の先生などとのトークディスカッションをやったんですが、「九品寺、新屋敷は人が沢山住んでいるけど、暗い・元気がない・お店が少ない」「せっかくいい白川の河川敷があるエリアなのに活用できてないのはもったいない」という話になりました。話を聞いていると、「昔は夜市や屋台があったりしてすごく良い雰囲気だったけど、いつの間にか無くなってしまった。またそれが実現できたら面白いね!」ということでまず夜市を行うことになったのです。夜市を開催するにあたり、最初はいろんな問題がありましたが、今年に入って、3月からは毎月の開催になり、徐々に運営システムができてきました。3月も多かったですが、4月は3月の倍の売上でした。5月も期待しています!

Q3.行政からも継続した協力があるみたいですね

中央区まちづくりセンターの皆さんにも協力していただいています。現在は「ミズベリング事業ということで国土交通省のサポートもいただいています。もともとはこの河川敷は公共の場ということで利益がでるような活動はできないのですが、この資源を「使わないともったいない」ということで許可を得て利活用をしようということになりました。

今後は地域の方々と協力して継続的にみんなが集える場所としてやっていけるよう事業をさらによいものにしていきたいと思います。また、実績を積んで行政にデータや新たな維持管理の仕組みなどの提供や共有もやっていきたいと思っています。

Q4. 「白川夜市」の取り組みのやりがいとは??

今までずっと「もったいない」と思っていたエリアが、今は生かされている喜び、楽しさがありますね。河川敷をもっときれいにしたり、白川の魅力を伝えていったりすることで、より人気スポットになるといいなと思います。九品寺エリアがアダルトな要素だけでなく、もっとお店が増えてナイトライフやコミュニティが活発になるといいですね。

Q5. 今後の構想についてお聞かせください

現在はボランティア中心ですが、事業を継続的に行っていくためにも、しっかりと収益が残る事業にしていきたいです。出店料を上げたり、協賛をより集めたり、少しずつ工夫していきたいです。事業で得られた収益金ですが、

①イベントの運営費にあてる

②次のイベント開催への投資にまわす

③地域に投資・貢献する(川沿いのベンチを買う、町内会に寄付、小学校に草刈り機を贈る)といった形でまわしていきたいと考えております。

また、今後は白川夜市を土台として継続させながら、河川敷でのBBQイベントなど他のイベントを継続して行って収入源にしたいと思っています。特に今年はラグビーワールドカップもあるので、ビアガーデンなども行って外国人の方にも楽しんでもらえないか検討しています。また、主催するだけでなく、河川敷を有効に使いたい方に貸し出して管理をしていくようなこともやっていけたらと思います。

Q6. 熊本の中心市街地の魅力は何だと思いますか?

街がコンパクトで大きすぎず小さすぎずちょうどいいサイズだと思いますね。週末は特にですが、他の地方都市と比べてもアーケードや商店街がすごくにぎわっていて元気ですよね。それと街の人と人のつながりが強く、しっかりとしたコミュニティが出来ているので、何か街なかで面白いことをやろうとするとそれができるような気がします。あとは、やっぱり街にきれいな川があることは魅力的ですよ!

Q7. 最後にKUMAMOTOPICSをご覧の方にメッセージをください

桜町や熊本駅前の再開発などもありますし、今年はラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権大会が開催されるということで何となくこの2~3年間で熊本は大きく変わる気がしますので、前向きに熊本を面白く元気にしていきましょう!

日本全体では来年東京オリンピックがあり、その後も大阪万博もあって、その影響で熊本の観光客も増えてくると思いますが、熊本の良さを守りながら魅力を伝えていくと、20~30年後は海外の富裕層にも人気のエリアになりえるんじゃないかと思います!

Voyager

住所:熊本市中央区九品寺1丁目1-26 River Port 9 1B

TEL:096-200-7796
営業時間:ランチ(不定休、ホームページにて要チェック)

火曜日(カレー):11:30 – 15:00 水曜日(ベトナム): 11:30 – 15:00/BAR 18:00 – 25:00 (LO 24:30)

※週末は15:00よりオープン

店休日:毎週木曜日(祝祭日を除く)

ホームページ:https://voyager-beer.com/