斉藤 勝利さん

斉藤時計店

Q1. お仕事の内容を教えてください

ご覧の通りです(笑)
それは冗談ですが、時計、宝石、貴金属の販売及び修理になります。
1928年創業で、最初は安政町にお店がありました。その後、1949年に現在あるサンロード新市街に移りました。ちなみに、初代は、私の祖父になります。
営業時間は午前10時から午後7時まで。店休日は、第1、第3の火曜日です。

Q2. 街で働くまでの経験や、きっかけを教えてください

福岡県の大学を卒業後、流通アパレル業界に就職しました。本社は大阪でしたが、勤務先は福岡県のファッションビルでした。販売、商品管理、仕入れなど、流通業界ならではの仕事をしていました。
転機は、31歳の時で、働いていた会社が神奈川に新店舗を出すにあたって、そこへ転勤の辞令が出たため、それを機に思いきって退社し、戻ってきました。
やはり、生まれがここだったこともあって、お店はいつかは継ぐものという意識はもっていましたが…

―以前働いていた職場は、やはり今の仕事を見越して就職されたのですか?
それはなかったですね。今の仕事は、戻ってから学ぼうと思っていたので、流通業界で働いていたときは全然考えていませんでした。ですが、結果的には、接客業務や人とのつながりなどは、共通している部分が多かったと思います。

Q3.お客様と接したり、働いている時に感じるやりがいは何ですか?

何といっても、記念品やお祝い品など、メモリアルの場面に携われるというのが一番嬉しいですね。他にも、昔から使っている思い入れのある時計などの修理を通して、アフターケアができるのも、やりがいを感じます。

―家族を通してお付き合いされているお客様も多いのではないですか?
そうなんですよ。お客様の中には90歳を超える方もいらっしゃって、そのお子さん、お孫さんと家族3世代でお付き合い頂いています。特に3月から4月の時期に高校・大学の入学に合わせて、または、社会人の始まりに合わせて、おじいちゃんやお父さんと一緒にご来店される方が多いですね。
そんな時、うちのお店はお客様の家族みんなで作ってもらっているのだなと、改めて感じます。

Q4. お仕事を通じてお客様へ伝えたいことは何ですか?

いっぱいありますが…
現在、この業界の専門店は少なくなっています。うちのお店も老舗の部類に入ると思いますが、老舗は“伝統”“歴史”を守る『信頼』が必要不可欠だと思っています。
逆に言うと、信用がないと販売できませんので、安心してお越しください。

―この業界の専門店はやはり減っているのでしょうか?
上通・下通・新市街で昔は10店舗以上あったこの業界の専門店も、今では4店舗ほどになっています。その点をみても、これからも更に頑張らなければいけないなと感じています。

―ちなみに、インバウンドがよく話で出ますが、外国人のお客様はいかがですか?
そうですね。外国人のお客様も増えていますね。
震災後、少し減りましたが、ここにきてまた増えてきました。震災前は、中国の方が多かったのですが、震災後、現在は、ベトナムやインド、香港、台湾、フィリピン等東南アジア系の外国人が増えていますね。外国のお客様は、日本製の安めの商品が人気です。また、余談ですが、うちのお店は“消費税免税手続き委託型免税店”になっているので、手間がかからないのも嬉しいですね。

Q5.市街地の魅力は何ですか?

中心市街地は、個店それぞれの魅力があるわけで、インターネットの世界にはない、実際に足を運んだ方にしか分からない楽しみがあると思います。外側ではない内側の魅力というか…。そのためにも、お客様にたくさん来て頂けるよう、魅力あるイベント等をやっていきたいなと思っています。

―新市街商店街振興組合では、子ども向けの企画に力を入れておられますよね?
「時間を遊ぶ」をキーワードに、商店街にいる滞在時間を長くしてもらえる仕掛けとして、ターゲットを“子ども”に向けて取り組んでいます。現在は、年に3回ほど、
夏は『子ども夜市』、秋は『子ども商店街』、冬は『子ども体育フェスティバル』といったイベントを実施しています。僕らは、文系、理系、体育系と分けて、それぞれに特徴をもって企画しているつもりですけどね~。伝わっているといいのですが(笑)

―子ども向けの企画実施で、効果がみえてきていますか?
少しずつですが、それぞれのイベントで集客数も増えてきています。アンケートからも、色々な意見を頂けていますよ。そして、さっきも少しお伝えした外国人のお客様ですが、実は、ファミリーでお越しの方が増えているんですよ。
震災後、観光客の流れも変わってきているのだと思います。
そういった点からも、子ども向けの企画は続けていきます。

―子ども向けで、今後はこんなこともやってみたいという企画はありますか?
サンロード新市街の広さを活かしたイベントはまず考えたいですね。
他では考えつかない、突拍子もないイベント。なぜ、ここでやっているの?というようなイベントを考えたいなと思っています。
それが結果的には、“まち”には何かがあるということに繋がるのではないかなと。

Q6. KUMAMOTOPICSをご覧になっている方へメッセージをお願いします。

KUMAMOTOpicsをみたら、すぐに“まち”に出かけてください(笑)
“まち”には、必ず何かがあります。インターネットからの情報ではない、生の、そして味のある情報を是非手に入れて欲しいと思っています。
せっかくですので、できればオシャレして来てもらいたいなと思いますね。

―余談ですが…斉藤さんは、どこで食事されることが多いですか?オススメのお店を教えてください。
リッチモンドホテル1階の「いねや」が多いですね。でも、基本的にランチは新市街にあるお店でしか食べないですよ。色々美味しいところが揃っているので、是非行ってみてください。

斉藤時計店

 住所:熊本市中央区新市街5-10
 TEL:096-352-6514
 FAX:096-356-8591
 営業時間:10:00~19:00
 店休日:第1・第3火曜日